「いただきます」と言わせるな!?
2006年 6月
指圧師 木 村 浩
「いただきます」と言わせるな!?
少し前にラジオを聞いていたらこんな話題にぶつかった。
『ウチの子に、「いただきます」を言わせないで欲しい』と学校に苦情を言った親がい
る、というハナシ。ビックリしてお尻が10センチほど浮き上がり、訳が分からず混乱
しながら聞いていると、『給食費を払っているのだから、感謝の言葉を強制するのはお
かしい』ということらしい。ビックリしてぼくのお尻はさらに20センチ浮き上がった。
うーむここまできたか、だいぶイカれてきたとは思っていたがここまでとは・・・
などと思いながら引き続き聞いていると、「いただきますの意味がわかっていない!」
と番組の放送中にリスナーからの反応がぞくぞくとあつまってきて大きな反響があった。
その反響ぶりに少し安心したけれども、ニュースを見ていると、やっぱりそんなことが
あっても不思議じゃない世の中だなあ、などと思ったりするのである。
「いただきます」、「ごちそうさま」と同じ意味の表現が日本語以外の言語にもある
のだろうか?
2006年 6月
しかし多かれ少なかれ、今の日本で「いただきます」「ごちそうさま」の言葉を僕ら
は文字通り「噛みしめて」はいないのではないでしょうか。それどころか、その言葉そ
のものが消えつつあったりして?
ふと思い出したのは、子供が通っていた中学校の先生が、言葉は悪いけれども『家庭
で子供を「餌付け」してください』と言っていました。子供が育つのに基本的なことが
家庭内で崩壊しているということを切実に訴えていらっしゃいました。食事という行為
にきちんと向き合うことは「健全」に深い関係がある、ということなんでしょう。
自分はといえば、大抵の場合はその言葉を使っていると思うのですが、何か気になる問
題やストレスを抱えていたりするときには無言で食べ初め、無言でいつのまにか食事を
終えているようなことがあります。心に余裕のない時にはつい忘れてしまう。昔は食事
の前後に必ずその言葉を癖のように言っていたような気がします。いただきます、ごち
そうさま、と口に出すその「カタチ」があれば「全体としての食」というものがもっと
健全なものにおのずと向かう、ということもあるかもしれない・・・どうでしょうか?
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