指圧学校のこと 〜40過ぎて学校へいく その二〜




 指圧学校のこと、その二




■ 指圧というカンバン(資格)について


  日本の法律では『指圧師を名乗るためには国家資格を有していなければならない』とい

う事になっている。国家資格を得ていないのに『指圧のカンバン」を掲げてはいけないの

である。その、カンバン(資格)というものについて書いておきたい。

ブラックジャックではないが、どの世界にも資格を持っていずとも適性を持っている人が

いる。どんな資格にせよ、資格をもっているからといって、必ずしも『安心』していいと

いうことではない。「試験に通る」イコール「適性がある」とは必ずしも言えないのであ

る。いろいろな資格で他人を盲信させて、悪い事をする人のニュースはちょくちょくみか

ける。資格を持つからといって、その資格に伴う人格と適正が真に保証されているとは言

えないのである。


  指圧の世界で「試験に通るための勉強」はしていないが、指圧が大好きで学んでいる方

をたくさん見てきた。そういう方達に教えを請うたこともある。指圧は、技術はもちろん

だが、それを用いるその人間のバックグラウンドにある精神のありようが問われるものだ

と思っている。その事を考えれば、指圧をすることと、資格を有する、ということの間に

は何の関係もない。指圧は本来誰にでも出来るし、だからこそ素晴らしい技術なのだと。


ただ、自分の場合は、はじめから職業として意識していたから国家資格の取得という目標

を据えた。生業にしようとするなら、そのほうが色々と都合がいい。それが世の中という

ものであろう。

その資格を取得するには、学校に入って様々な単位を取得しなければ国家試験の受験その

ものが出来ない制度になっている。前回書いたように時間も金もかかるのである。

学校ではどんなことを学ぶのか書いておく。




■ 国家試験にはどんな科目があるのか


  指圧の勉強をしたいと思い立ち学び始めたものの、指圧の国家資格というものを得るた

めにどんな勉強をしなければいけないのか、よく理解せぬままに、入学試験を経て学校に

通い始めた。

学校では基本的な指圧の技術を習得することに加えて、卒業後に国家試験を受けるための

勉強をするのだが、その国家試験科目は次のようなものである。



医療概論(医学史を除く)

衛生学・公衆衛生学、

関係法規、

解剖学、

生理学、

病理学概論、

臨床医学総論、

臨床医学各論、

リハビリテーション医学、

東洋医学概論・経絡経穴概論、

あん摩マッサージ指圧理論及び東洋医学臨床論

※国家試験では、指圧の基本的な技術については学校で習得するということで免除になっている。



これらの科目を3年間で学び(毎学年に中間試験と期末試験がある)、卒業が出来たあか

つきには国家試験の受験資格を得ることが出来る。

もちろん医師免許のレベルではないが、広く基本的な医学知識を学ばねばならない。入学

して最初の授業が解剖学だったが、さっぱり理解できず、先行きの不安を思い目の前が真

っ暗になったことは忘れられない。

そんな授業の中身についてはここでは触れない。それよりも、いい歳をして再び学校とい

うものに通ったことで感じた事や様々な出来事を記録しておきたいと思うのである。


  書き始めたら長くなってしまった。40を過ぎて運送屋稼業をしながら学校に通った日々

のことはまた。



   

 朝霞台指圧センターのマスコットキャラクター

 指圧センターの仲間の女性指圧師のデザインによる猫指圧 (^_-)




                             2019年 3月


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