『 二重思考 』のリアル、 〈1984年(ジョージ・オーウェル著)〉  





     「・・・一般的に言って、より理解力が高く、


      より思い込みが激しい者ほど高い知性をもち、


      正気を失っているのである・・・」





1949年に書かれた、イギリス人ジョージ・オーウェルのSF〈1984年〉、


コロナでの緊急事態宣言中、ステイホームでうっかり再読してみたら、どうもリアル過ぎて重い。



          



“二重思考“とは矛盾する二つの信念を受け入れる能力だと言う、すでに人間(我々)は受け入


れてはいないか?




   戦争→←平和(平和のための戦争、という矛盾)

   自由→←屈従(屈従による自由、という矛盾)




 以下ほんの一部引用


「・・・二重思考のもっとも巧妙な熟練者は二重思考を考案した者たちであり、彼らはそれが精

神を欺瞞する巨大な体系であると自覚していることは言うまでもないだろう。我々の社会におい

ては何が現実に起きつつあるのかをもっともよく理解している者は同時にありのままの現実から

もっとも遠い場所にいる人物なのだ。

一般的に言って、より理解力が高く、より思い込みが激しい者ほど高い知性をもち、正気を失っ

ているのである。

社会的地位が高いものほど戦争に対する興奮の度合いが強いという事実はこれをよく表している。

戦争に対してもっとも理性的な判断を下せるのは実は紛争地域にいる当事者たちだ。

彼らにとって戦争とは純粋に自分たちの身に津波のように襲いかかる止むことのない災難でしか

ない・・・」


『一九八四年』 ジョージ・オーウェル, Haruka Tsubota 著 より







1949年に書かれた、〈1984年〉 


『 二重思考 』 SF?   
                               2021年 5月









  

  コロナ緊急事態宣言(3度目)の朝、荒川土手をジョギングした




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