世界を平和に
2004年  2月
指圧師 木 村  浩


「欲の制御」を「トレーニング」する 


 以前から、健全(健康)と環境と平和には、共通に必要としている、一つのテーマがあると考

えています。一言で言えば、どれもが「欲の制御をトレーニング」する事を、心がける必要があ

る、ということです。


 健全・健康のことで言えば、過度の食欲、過度の金銭欲、過度の機械化や情報化への欲、これ

らの様々な「欲」は、肥満、運動不足、職場や家庭でのストレスを生み、そのストレスがゆえの、

過度の食欲、過度の金銭欲、過度の機械化・・・と悪循環へと陥る、そしてそれが様々な病気、

特効薬のない生活習慣病の原因へ直接につながっていきます。欲をコントロールする事は、健

全・健康に大きな関係があります。

 環境のことを言えば、人間の欲が公害を生み、生態系のバランスを破壊し、地球環境に急激で

回復困難なインパクトを与えています。それは、人間の欲を、地球という星が全て受け入れてく

れる、という誤解から始まりました。人間の欲をコントロールする事が、地球環境の保全に不可

欠であることは、今では誰もが認識しています。

 平和のことで言えば、戦争がおきる時の大きな理由に、「国益」という言葉がたびたび使われ

ます。それは言ってみれば、欲と同義ではないでしょうか?

国益という言葉によって、際限のない欲を正当化してはいないか? 欲をコントロールしようと

する努力が、戦争をなくそうとすることに、つながるのではないか? 「奪い合えば足りない、

分け合えば満たされる・・・」 誰が言ったか知りません、ラジオでチラッと耳にした言葉です。




 地球環境の未来や、世界で起きている戦争のことをリアルに捉えるには、想像力を大きく働か

す必要があります。しかし、個人としての自分自身の健全・健康については、まさに身体でリア

ルに感じとることができます。文字通り、他人事ではありません。

 「欲の制御をトレーニング」することは、学校で教えたり、国が強制したりする必要がありま

せん。それは自分自身の健全・健康に直結している事だからです。そしてそれは、そのまま、地

球環境の保全や、戦争のない、世界の平和へと向かうトレーニングだと考えることができるので

はないでしょうか。





 冬の晴れた日には青空がとてもきれいです。青い空をバックにジェット機が飛行機雲を引きず りながら飛んでいるのを見るのが大好きです。「あの飛行機には人が乗っていて、あんな高い所 から景色を眺めているんだろうなあ!」なんていつも感動してしまいます。「人間ってホントに スゴイな!」なんて考えてたら、テレビのニュースでこんなハナシが、・・・旅客機の中で、酒 に酔った乗客による、スチュワーデスへのセクハラ行為が後をたたず、目にあまる場合には、機 内で通告したうえ、地上に到着後に警察に引き渡すことにした・・・という。  高度何千メートルという上空を、ものすごいスピードで飛んでいるあの飛行機の中では、酔っ 払ったオヤジが、オネエチャンのお尻をさわって騒いでいるらしい・・・ うーむ、人間ってスゴイんだか、アホなんだか・・・                                       2004年 2月
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