最先端科学が宗教を説く
2005年 1月
指圧師 木 村 浩
最先端科学が宗教を説く
安保徹著 免疫革命(講談社インターナショナル)という本を読みました。免疫学の最近の
研究から病気の原因とそれへの対処法を提案しています。免疫学は僕の頭には難しすぎるので
すが指圧学校で勉強したことも思いだされ、あらためて少し勉強し、その本に書かれている内
容を自分なりにまとめて、時間をかけて書きました、それをここに載せようと考えていたので
すが、カミサンに途中までを見せたところ、「コムズカシイ」と批評され、自分でもそんな気
がしてやめました。内容を簡単にいうと、自律神経のバランスが血液の成分比率を変化させ、
それが病気と治癒の過程に大きく影響を与えている、というものです。本の半分以上は免疫の
仕組みと最近の研究成果についての解説ですが、「 健康も病気も、すべて生き方にかかって
いる 」というのが最後の章になっていて、免疫学の研究が、「 どのように生きたらよいの
か? 」という宗教的な話へとつながっていきます。免疫という現象を最先端科学がみつめる
ことで、心のもちかたひいては、いかに生きていけばよいのか? という所にいたってしまい
ます。
ずいぶん以前に読んだ、スティーヴン・W・ホーキング、という宇宙物理学者の本でも似た
ような思いを感じたことがあります。 ( 正確にいえば、内容は数式とわけのわからない図
形の書かれている本で、とても「読んだ」とはいえません ) 文章の中に時々「 神 」と
いう言葉が出てきます。「 神は何故このように宇宙を設計したのか? 」 「 人間と宇
宙が存在しているのは何故か? 」 という表現がでてきます。内容の大半は理解不能でした
が、なにかホッするような気持ちと同時に、科学というものに感動の気持ちをおぼえました。
科学が、哲学、宗教と問題意識を共有している、というような印象を強く感じました。
僕たちは科学の危険な面には気が付かず(あるいは目をつむり)、オイシイ所だけを喜んで、
その便利さを享受しているだけです。科学に幻想を抱き、夢を託すのは僕ら人間の宿命に違い
ない、その愚がみずからの身を滅ぼしてしまう前に、最先端の科学が、先の先のそのまた先に、
宇宙(世界)がどのようにできているのか?、人間はいかに生きていくべきなのか? という
「 道 」を、「 科学的に 」あきらかしてくれるでしょうか? 期待してしまいます。
このようにして、科学は宗教に近づき、宗教は科学に学ぶ? 2005年 1月
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