日記・2009春
2009年  4月
指圧師 木 村  浩


   


 久しぶりに丸一日の休みがあった

桜の盛りは過ぎて、新しいみどりの美しい季節のはじまり。 寒くなく、体を動かし

ていると汗ばむくらいのちょうどいい平和な一日。

自転車で近くの公園に行き、すこし体を動かし、そして木陰で本を読んだ。



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 今年は桜の満開のあとにひどい雨風はなかった。だから花見の時期はいつもより長

く続いた。美しいのだけれど、年ごとに桜の花には切ない感情が強くなる。美しい満

開の桜がはかなくて、つらいような気持ちが強くなる。

 三月にお世話になった人が亡くなった、しかし、自分は生きている。

散る桜の花びらは去年の花びらとは違う。新しいものはやがて散り、そしてまた新し

いものが咲き、それもやがて散っていく。そんな流れの中に自分もまたあるのだろう。



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/しんちん‐たいしゃ【新陳代謝】/ (「謝」は辞し去る、おとろえるの意)
1 古いものが次第になくなって、新しいものがそれと入れ代わること。
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988
/国語大辞典(新装版)小学館 1988


健康・健全は、新陳代謝という流れが止まらないことが肝心だといつも思う。その作

用がありがたく、そして同時にせつないものなのだと、この頃思うようになった。



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灰谷健次郎さんの詩、ふたたび



あなたの知らないところに

いろいろな人生がある

あなたの人生が

かけがえのないように

あなたの知らない人生も

また、かけがえがない

人を愛するということは

知らない人生を

知るということだ


灰谷健次郎、「やさしい時間」(角川文庫)

                             2009年 4月



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