恋そして愛、やがて慈悲の心へ 



  昼メシのおにぎり(朝に自分で作った梅干しとおかかのやつ)を食べながら、長く教員をし

ていた方と、愛と恋の定義について議論してしまった。昼メシのついでにしては大き過ぎる

テーマである。もちろん突然そのような話になるはずもなく、その前に何かの話をしていて、

そんな話になったのだが、キッカケになった話は忘れてしまった。(人間だけが好きだとか嫌

いだとかという感情を持っているのだろうか?という話だった気がする)



私:先生しつもん!愛と恋の違いってなんですか?


(もと)先生:うーん、恋っていうのは、極めて限定的なものじゃないか? 愛って言った

ら対象が人間だけに留まらない広がりがあるような気がする。


私:確かに。愛は対象がオンナに限らず、仕事だったり趣味だったり故郷だったりしますね。


先生:それと、深さが違うな。深い愛とは言うが、深い恋とか恋が深い、とは言わないなあ。

あと、愛のムチはあるが、恋のムチはないな。やっぱり愛の方が深いんじゃないだろうか?


私:ナルホド。確かに「深さ」が違うようですね。恋より愛の方が深い。

ムチは深い愛があれば打たれても耐えられると・・・いろんな「趣味」でそんなことになった

りするかもしれませんが(笑)


先生:(笑)あと、恋文とは言うけど、愛文とは言わないね。


私:恋のうちはふみ(文)を書くが、愛になると文は書かなくなっちゃう? 恋は過程で新鮮

だが、愛になると深いことは深いが新鮮さからは遠ざかるのか!(笑)


先生:恋人というとフレッシュで爽やかな感じがするが愛人というと大分感じが違う。


私:というと、恋はフレッシュであることに対して、愛は深いけれども大分色褪せていて新鮮

味はない?・・・あ、いや個人的には愛人ならチョット新鮮な感じはします(笑)


先生:あと、金を愛するという表現はあるかもしれないが、金に恋するとは、言わないよね?

さらに言えば、愛は金で買えるが、恋は金で買えないかも?(笑)


私:ナルホド、愛はカネのことで破局するが、恋はカネが原因で破局しないような気がす

る・・・うーむ、奥が深い(笑)


先生:(笑)愛よりも大きな概念に慈悲というのがあるね。慈悲のこころ、と言えば恋や愛を

越える大きさを感じる。


私:確かに・・・わかりました! 帰ったらカミさんに「俺は慈悲のこころでキミに接してい

るつもりだ」、と言います。


先生:なんか悪いもん食ったのか?とか言われるのがオチ(笑)




人生重大事のテーマについて握り飯食いながら話した中身にどの程度の正当性があるか、は

なはだギモンがあるけれども、結論を以下に記す。

お役に立てば幸いです。



結論

恋の上位に愛があり、愛の上位には慈悲がある。

恋は、浅く、新鮮で、金で買うことはできない。

愛は、深く、色褪せて、場合によっては金で買うことができる。

「慈悲のこころ」に至るには修行を要する・・・       



 
武蔵浦和駅、雨上がりの鉄路




        先生とお話させていただく時間は本当に楽しい         2015年9月




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